事業者様を対象とした特定商取引法に沿った契約書の作成や、一般消費者からの契約トラブルに関する解約の書面作成支援など、事業者と消費者の双方からご相談を頂いております。
開業以来一貫して、契約トラブルのクーリングオフ代行や消費者契約の契約書面の作成など消費者問題に関わる業務をしており、その経験を活かして公職でも消費者行政に邁進しております。
行政書士の遠山桂と申します。
この経歴をご覧頂きまして、ありがとうございます。
ブログでの自称は「筆者」や「当職」としておりますが、ここでは自分語りをするために話し言葉の「僕」とします。
ここから先は、僕のネット行政書士としてのルーツについて書き綴ります。
大して面白くも無いオヤジ(1968年生まれ)の昔話になりますが、時間に余裕のある方はお付き合い下さい。
唐突ですが、僕はインターネットが大好きです。
なぜならインターネットは自分の知らない世界へと連れ出してくれる便利な道具であって、様々な疑問に対する解が用意されていたり、技術革新の刺激を与えてくれたりするのに、とても安価に利用することが出来る素晴しいインフラだと思うからです。
そのインフラから多くのメリットを享受してきましたが、微力ながらもネット環境に貢献をして恩返ししたいという思いも抱いており、「公正なネット取引と消費者契約の振興をサポート」することを現在のポリシーとしております。
さて、そんな僕がコンピュータに興味を持つきっかけは大学時代に遡ります。
最初にお断りしますが、この話には何の学びも教訓もありません。
何の取り柄も無い学生の物欲に関するお話になります。
1987年頃に友人がNECのPC-9801シリーズのパソコンでKOEI(光栄)のシミュレーションゲーム(三国志)に興じていたのを見て、それをプレイさせてもらってゲームにハマってしまいました。
その友人の家に何日も泊まり込んで三国志をやり込んでしまいました。
しかし、貧乏学生であった僕はパソコンを購入できるだけの資金がなく、後に発売された任天堂ファミコンの三国志を購入して何日も徹夜をしていました。
よくも飽きずにゲーム上で中国統一を何十回もやり込んだものです。
また、僕は手書き文字が汚く、いろいろな人に字を綺麗に書く練習をするように指摘され続けましたが、それを改めるつもりがありませんでした。
それでも大学に提出するレポートの字が汚いのは不都合があって、そこで初めて「清書マシーン」としてパソコンが欲しいと思い至りました。
しかし、当時のパソコンは一式購入するには30万円は下らず手が出ませんでした。
そこで妥協案として10万円程度で販売されていたワープロ専用機を購入しました。
このワープロを買って感動したのが、とにかく大学に提出するレポートに綺麗な文字が並んだことでした。
当時の学生はワープロ・パソコンを所持している割合が低く、レポート・論文も手書きが主流でした。
そんな環境では、プリンター出力された活字でレポートを提出しただけで珍しがられたものです。
当時の指導教授であった森靖雄先生は、「コンピュータ・会計学・語学のどれか一つはスペシャリストになりなさい」と常々仰ってみえましたが、僕はどれも自分には縁の無い話だと思って聞いておりました。
その時点でその教えを実践するよう努力を始めていれば、現在の仕事の奥行きももっと広がっていたのでしょうが、つくづく残念なことです。
会計も語学も自分には素養が無いので、とりあえずワープロの親戚のパソコンについては機会があれば学んでみようと漠然と思ったものです。
(本音はパソコンを買ってゲームをやり込むのも面白そうだ、という程度です)。
僕のパソコンのイメージは「ゲーム」と「清書マシーン」でしかなかったのですが、こんなものがビジネスで何の役に立つのか、当時は全く理解できませんでした。
そんな僕が初めてインターネットに触れたのはWindows95が発売された1995年です。
当時27歳の会社員であった僕は、NECのPC-9821シリーズのパソコンに丸一日がかりでWindows95をインストールして、アナログ回線に2,880bpsモデムをつなぎ、ASAHI-NETのアクセスポイント経由でPPP接続をしました。そして30分程度のネットサーフィンをしただけなのに、翌月の電話料金の請求額に驚愕した記憶があります(笑)。嫁にも「どんだけ長電話したんだ」と怒鳴られ、「いや、電話じゃ無くインターネットなんだ」と説明しても理解はされませんでした(涙)。
当時はホームページの数も少なく、ただネットにつなぐことに成功しただけで満足していたものでした。
余談になりますが僕はMS-DOSやWindows3.1の頃(1991年くらい)からパソコンを購入してNifty-serveでパソコン通信をしておりました。パソコン通信の文字だけのコミュニケーションから、インターネットになって文字と画像と音声を同時に表示する表現方法の劇的変化に感動しまくりました。
しかし、インターネットを利用するにはアナログ通信の遅さと通信費のバカ高さという壁があって、(嫁に怒られるのも嫌だし)しばらくはパソコン通信をメインにしていました。
それから数ヶ月が過ぎて、せっかくインターネットを開通させたのだし何かホームページでも公開しようと思うようになりました。
しかし、岐阜県の田舎暮らしのサラリーマンの身上で、何か特技があるわけでもなく世の中に訴えたい話題があるわけでもありません。とりあえず趣味の渓流釣りの釣行記でも書いてみるかと思い、パソコン雑誌を買って基礎的なHTMLを独習しました。
当時はデジカメの普及以前だったので、使い捨てのフィルムカメラで景色や釣魚を撮影して現像に出し、写真をSCSI接続のスキャナーで読取りしてパソコンに入力をしました。
現在から考えるとウェブページを1つ作るだけでもかなりの時間・手間・費用がかかるものでした。更にはHTMLファイルや画像ファイルをアップロードするFTPの作業につまづきながら、1996年に「渓流釣りにハマったバカ者のページ」というタイトルのホームページを公開しました。
このホームページは釣行後に画像1枚と数行のコメントを付けただけの簡単なもので、現在ならスマホ1台でフェイスブックにでも投稿すれば終わりというところです。
この渓流釣りのホームページはドメイン移転等を経て現在も更新を続けています。
渓流釣りホームページ(1996-2013)
渓流釣りブログ(2014~)
僕の渓流釣りの技量は「下手の横好き」という低レベルなものですから、同好の釣り師が閲覧しても何も得るところは無いと思います。(「オレより下手な奴がいる!」と自信を深めるためには有用かもしれません)。
それでも20年以上も細々と運営を継続しており、僕にとってはライフワークとなっています。
そんな趣味から出発したインターネットとホームページでしたが、2003年からビジネス利用を始めるようになりました。
2003年には自己啓発で学習をして行政書士資格を取得したことがきっかけでした。
当時の僕は会社員としてOA機器やLANシステムの営業兼SEをしていたのですが、せっかく取得した資格なので何とか活かせる方法は無いかと思案しました。
資格を取って独立しようとか、起業して一旗揚げるという目標があったわけではなく、IT関連のキャリアに法律関連の知識を加えたら仕事の幅が広がるのではないかという漠然としたものでした。
しかし、当時の会社員としての業務範囲では行政書士の試験対策で得た知識を活用する場面はほとんどありませんでした。
そこで何とか行政書士資格を活かす道を考えてみました。
・会社で使えない資格なら、副業として使えないだろうか?
・会社員の本業を週に5日フルタイムでやっていたら行政書士の仕事なんてできないのではないか?
・そもそも行政書士の業務知識はほとんど無いのだが・・・
・そうだ!ホームページだけで集客してメール納品で完結する書類作成だけに限定すればいいかも!
もの凄く大雑把に言えば、上記のような思考を辿ってインターネット専業の(しかも副業の)行政書士事務所としてホームページを開設することにしたのです。
ただ、世の中はそんなに甘くありません。
簡単な業務案内を書いただけのホームページを公開しただけで業務依頼が入るわけはないという現実を受け入れるしかありませんでした。
ホームページの開設から6ヶ月間は全く仕事が入りませんでした。
そこで業務に関連するキーワードの数だけページを増やしてSEOに対応する戦略をとりました。
毎日コツコツとウェブページを増やし続けると検索エンジンからの流入が増加したのですが、それでも業務依頼は入りません。
それなら特定の業務に特化したキーワードをホームページのタイトルに冠して専門サイトを作ってみようと思い立ちました。
そのホームページの名称は「クーリングオフ・エクスプレス」でした。(現在はこのサイトはメンテナンスしておりません)
突貫作業で10ページ程度のサイトに仕上げ、有償のYAHOOビジネスエクスプレス登録をしたところ、運良く「クーリングオフ」のキーワードで10位以内に表示されました。
これはもの凄く効果がありました。
YAHOOディレクトリに掲載された当日からクーリングオフ手続代行の申込フォームが送信されるようになり、ほぼ毎日クーリングオフ書面の作成をすることになりました。
このサイトの売上だけで当時勤めていた会社の給与を超えるようになり、SEOの効果を実感しました。
こうしたきっかけで消費者契約の問題に関わるようになり、消費者被害を減らすためのボランティアとして「契約学習ネットワーク」の活動に参画しました。
主に高校生や大学生に対して契約に対する意識を高めるための講演活動を続けることになりました。(高齢者への公民館講座などの講演活動もしています)。
その後「示談書作成エクスプレス」や「借用書作成エクスプレス」という契約書作成業務を募集するウェブサイトを公開し、業務ごとに専門サイトを制作するという方針を貫いています。
業務に関する法令やSEO技術についてもネット検索を入り口として知識を仕入れ、それを専門書籍で補強して自分のウェブページで公開するという作業を繰り返す日々が始まりました。
そして行政書士事務所開業から1年後の2004年に勤務先会社を退職して独立をしました。
SEOや業務の知識を得ること、業務の募集・広告をすること、依頼者との交信など、全てをインターネット上で実施するスタイルはこの時期に確立しました。
インターネットで情報収集をする際には、無料で利用できるサービスやフリーウェア、無料公開されている有益情報など、善意に支えられた数多くのコンテンツを利用させて頂くありがたさを感じ、この時代のこの国に生まれて良かったと心の底から感謝したものです。
僕自身も微力ながらインターネットの善意に恩返ししたいという気持ちを持ち続けています。
そこでインターネットでビジネスを行う事業者の方々の利用規約や契約書の作成をサポートするために「ウェブ制作業の契約書サイト」や「継続サービス業の契約書サイト」を公開し徐々にコンテンツの追加を続けています。
この頃に「ネット行政書士・遠山桂ブログ」も公開して現在も更新を続けています。
このように次々とウェブサイトの追加公開を続けてきたのですが、売上もそれに比例して伸長し続けるのが理想的ですが現実は甘くはありません。
同業ウェブサイトは増加の一途を辿って競合か加熱し、検索エンジンの巨人・グーグルは検索順位の決定ロジックを頻繁に変更して運営サイトの閲覧数も安定しません。
ウェブサイトは時間の経過と共に埋没する傾向にあり、新たなウェブサイトを公開することで減少するアクセス数を補うという流れが続いています。
売上についても一進一退を繰り返しながら細々と個人事業を継続しているレベルです。
それでも受託する業務の9割以上をインターネット経由で確保することが出来ているのはありがたいことです。
2011年には縁があって恵那市役所の消費生活相談業務(臨時職員)と兼業をするようになり、再び行政書士事務所と複業することになり現在に至っています。
この相談業務に対応するために国民生活センターの消費生活専門相談員資格も取得しました。
月・火・木・金の週4日は消費生活相談員として恵那市役所に勤務し、それ以外の時間でインターネット専業の行政書士として実務に就いております。
こうした消費者契約との関わりについて、消費者問題専門家会議(ACAP)が主催する「わたしの提言(2011年度)」に小論文を応募し入選作の評価も頂きました。
また、2012年度には契約学習ネットワークの活動について消費者庁から「ベスト消費者サポーター章」の表彰を頂きました。
また、行政書士会の会務や地元商工会の活動にも参加しており、決してインターネット空間だけで生息しているわけではありません。
地域社会の抱える課題についても微力ながらできることをやっていこうという想いは持っています。
そんな中で中津川北商工会蛭川支所の支援を受けながら、地元の4士業(税理士・司法書士・土地家屋調査士・行政書士)によるボランティア団体として「ひとつばたご会」を立ち上げ、講演会や無料相談会などの事業も実施しています。
日本福祉大学では10年以上に渡りゲスト講師として「消費者問題」と「成年後見制度」の講義を実施してきました。
その縁があって2021年より3年間は非常勤講師としてゼミナールを受け持つことになりました。
ゼミのテーマは「情報化社会と消費者問題」です。
このような経緯があって、「インターネット取引」と「消費者契約(BtoC型ビジネス)」に関連する契約書作成やインターネットビジネスの法務・営業コンサルティングを業務の中心にしております。
特に個人や小規模な事業者様がインターネットをビジネス活用することについて、積極的にご支援をしたいと思っています。
なぜなら僕自身が資力も何のバックボーンも無い個人事業者であり、そういう境遇でインターネットビジネスを志向する方々には頑張って成果を上げて頂きたいと考えているからです。
僕個人の力量は知れていますが、インターネットを活用することでビジネスチャンスは広がるということを体験的に学んできました。
インターネットも成熟して、競争激化や規制強化という面もありますが、それでも新しいビジネスの芽は次々に現われるものです。
そういう変化の波を肯定的にとらえて、ネット利用者の利益を考えた公正取引の実現をサポートし続けていこうと考えています。
そこで「公正なネット取引と消費者契約の振興をサポート」をテーマとして業務に勤しんでおります。
とりとめのないことを長々と書き綴りましたが、ここまで読んで頂いた方には御礼申し上げます。
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インターネットの利用法やそれを介したビジネスの方法論は普遍的なものもあれば、今後も激しく移り変わっていくものもあります。
それを新たな刺激ということで楽しんで採り込んでいきたいですね。