事業譲渡と法律

事業譲渡については、会社法(または旧商法)でその手続や制限事項等が定められています。
会社法第467条では、事業譲渡の定義は「事業の全部」や「事業の重要な一部」等の譲渡と定められております。また、同法第21条以下に譲渡会社の競業避止義務や商号を継承した場合の責任についての規定があります。

譲渡会社の競業の禁止(会社法第21条)

事業を譲渡した会社(譲渡人)は、その事業を譲渡した日から20年間は同区域内で同一の事業を行うことが禁止されています。また、特約により最大30年間まで競業を禁止とすることが可能です。
この競業避止規定に不都合がある場合は、契約書に競業避止の免除を盛り込むこともできます。

譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等(会社法第22条)

事業を譲り受けた会社(譲受人)は、譲渡した会社と同一の商号を継承する場合は、その事業によって生じた債務を弁済する責任を負います。この債務弁済の責任を免除する場合は、債務弁済の責任を負わない旨を登記するか債権者にその旨を通知する必要があります。

これら競業禁止や譲受会社の責任の規定については、契約書で特約を定めて任意の内容に修正することが可能です。
但し、譲受会社の責任免除については契約書に定めるだけでは足らず、登記や債権者への通知が必要となるので気をつけなくてはなりません。