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クーリングオフ期間が経過したら

クーリングオフ期間が過ぎた場合の解約交渉

悪徳商法や一般的な消費者契約を解約しようとする場合、クーリングオフ期間が経過した後では、格段に手続が難しくなります。
契約取消の猶予期間であるクーリングオフ期間が過ぎれば、どのような契約であれ形式的には成立し、解除は困難になります。

例えば、高額なダイヤのアクセサリを購入して、後から他店の類似品と比較して、それが不当に高いと気付いたとします。
市価と比べて異常に高い値段で買わされた場合は、「暴利行為」にあたり、場合によっては詐欺による契約取消を主張できます。

しかし、実際は「暴利行為」である事を証明するのは、とても難しいのです。なぜなら、他店の類似品と比較しても、厳密にいえば「同一品」ではありません。アクセサリに多少でも加工がしてあれば、それはもう「世界で唯一のオリジナル品」に早変わりしてしまいます。
「当店の商品は独自の加工をしたオリジナル品ですので、その価格との比較は適当ではありません」と「暴利行為」は簡単に否定されてしまいます。
客観的に価格を査定して貰うには、費用も時間もかかり、それを裁判で実証するには、契約金額よりも高くつく事態になってしまう可能性もあります。

でも、そのダイヤの売買契約書に「クーリングオフに関する事項」が記載されていなかった場合は、相当な時間が経過していた場合でも契約解除と返金が実現する事もあります。
特定商取引法には、消費者契約に関して契約書に記載する義務事項が定められており、その中には「クーリングオフに関する事項」も含まれています。
記載義務事項に不備のある契約書は、法定書面を交付した事にはならず、クーリングオフの起算日は始まっていないと解されます。
こうした書面不備は、契約者の手元に証拠として残っているので、契約解除出来る確率は高くなります。

契約解除を主張する理由としては、「騙された。詐欺だ」という事が多いのですが、それを証明するのはイバラの道です。
それよりも書面不備を検討して、証明しやすい事を探していくアプローチが必要だと思います。

クーリングオフ期間が過ぎた契約を解除するアプローチ(中途解約への道)

書面不備を探す。

訪問販売の契約書には、次のような記載義務事項があります。
   ・販売価格(特商法第5条2項)
   ・クーリングオフ出来ることの記載(特商法第5条2項)
   ・業者の名称、住所、電話番号、代表者名。(施行規則第4条)
   ・業者の担当者名。(施行規則第4条)
   ・契約締結年月日。(施行規則第4条)
   ・商品名。(施行規則第4条)
   ・商品の形式又は種類。(施行規則第4条)
   ・商品の数量。(施行規則第4条)

この他にもネットワーク・ビジネス(連鎖販売取引)や内職商法(業務提供誘引販売取引)には、契約前にも「概要書面」の交付が義務付けられており、これらの書面が交付されていない場合も多いようです。
中にはクレジット契約書は渡されたが、販売業者からの契約書は貰っていないというケースもありました。
このような場合もクーリングオフの主張が可能となります。

騙し討ちの勧誘を指摘する。

「懸賞に当たった」「モデル募集をしている」「街頭アンケートにお答え下さい」「健康食品の勉強会があるのだけど」
このような口実で店舗や営業所へ誘導し、会場に入ったら契約するまで帰して貰えないという手口は横行しています。
これは特定商取引法の禁止する「販売目的の隠匿」にあたります。

また「今買えば絶対に得する」「他店では、この値段では買えない」等と消費者に選択の余地を与えない勧誘方法は、「断定的判断の提供」や「不実告知」という禁止行為にあたります。その他にも帰りたいと意志表示したのに帰して貰えず、契約を迫る「不退去による勧誘」の被害例も多発しています。

これらはクーリングオフ出来る理由になりますが、その事実を証明するのが困難です。(勧誘されている様子をカセットテープに録音している人は、ほとんどいないですよね。)
ですから、内容証明郵便等で不法勧誘の事実は指摘できますが、証拠を提示できないので、そのような事実を否定される事が多くなります。
裁判まで争っても、証拠がなければ勝つことはおぼつきません。
文書で不法行為を指摘しつつ、中途解約という事で違約金の支払いも視野に入れて、契約解除を目指すのが得策と考えます。

詐欺的な勧誘や商品の欠陥を指摘する

明確な商品の欠陥があれば、それは解約理由になりますが、修理や交換対応で終わってしまう可能性もあります。
また、商品の性能などを詐欺という事で訴えるには、性能試験データなどを提出する必要もあります。
勧誘時に詐欺的な言動があっても、その証拠がなければ、契約解除まで漕ぎ着けるのは困難です。
これらの理由で契約解除を目指す場合は、不法行為と認識できる事実を文書で指摘し、ある程度の違約金支払いを視野に入れて解約交渉を行うのがベターと思います。
(明確な証拠が提示できるなら、もちろんクーリングオフの可能性も生じます。)

この他にも様々な法令や判例を参照して、業者に不法行為を指摘することは可能です。
中途解約を諦めてしまう前に、是非一度ご相談フォームよりお問い合わせ下さい。

 


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