電子申請手続きと市町村広域合併
本日、関連リンク集に各省庁と岐阜県の電子申請窓口のURL集を追加しました。電子申請とは、従来許認可が必要な手続きについて、申請者が官公署の窓口まで出向いていたものを、インターネット経由で自宅や会社に居ながら手続きが出来るようにする事です。まだ実験的な取り組みで、実現できる内容も少ないのですが、その意義自体は素晴らしいものだと思います。
また、申請者への直接的な利便の提供だけでなく、電子申請が本格化すれば、行政の人手がかかる事務作業が軽減し、行政コスト削減にも繋がります。
市町村合併は、今「平成の大合併」事業として、全国的に進行しています。複数の自治体が合併することで、事務コストの削減や行政サービスの均質化を図るのが目的です。不況や人口構成の高齢化現象を受けて、財政難の自治体の生き残り戦略として不可避の対策だとされています。
この二つの流れには、行政のコスト削減と言う共通項があります。財政難緩和への手法として避けられない課題ですが、一方では行政サービスの低下が心配されます。
行政の広報では、IT技術の積極採用による効率化で、行政サービスの低下の心配が無いというような意見も見かけます。
しかし、冷静に考えてみれば、これらの課題は大きいと思うのです。
広域合併で地元にあった役所の機能が縮小・廃止され、従来の役所機能が隣の自治体に移転したとします。簡単で定型的な申請については、電子自治体の窓口にインターネット経由でアクセス出来ます。そうすれば、申請者の要件は済むので、これは特に不都合は起きないでしょう。
問題は申請が複雑な判断を必要とする場合です。申請者がインターネットの電子申請機能を利用しても、申請内容が複雑で、窓口に確認を取りたいと思ったとします。
この場合、従来なら近くの役所の窓口に出向いて簡単に確認がとれたものが、出向く場所は遠方になり、しかも行政窓口の人員削減の影響で窓口担当は多忙になり、なかなか面会すら出来ないという事態も起きかねません。
そんな場面では、行政手続きに精通した行政書士の出番が増えるのかもしれませんが、あまり喜べる事態でもありません。
電子申請に広域合併、この行政の大きな変革期に、住民の方々に喜んで頂けるサービスを提供する使命はもちろんのこと、想定できる事は声をあげていかねばならないと思います。微力ではありますが、そんな事にもお役に立ちたいと思っております。
・・・と、まあ今回は堅苦しいことを書きましたが、このコラムのテーマは不定型なので、今後はユーモアも交えつつ、ローカルネタも盛りたくさんで雑感などを書き連ねていく予定です。次回更新予定は・・・未定です。(^^;
2003年5月7日 遠山桂
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